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息切れがおさまらないのは心不全のサイン? 症状・原因を循環器内科医が解説

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2026年8月27日

息切れがおさまらないのは心不全のサイン? 症状・原因を循環器内科医が解説

みなさん、こんにちは。院長の太田光彦です。

夏は暑い屋外と冷房の効いた室内を行き来することで、体への負担が大きくなります。炎天下での激しい運動は避け、こまめな水分補給を心がけながら、体調に合わせて過ごしましょう。 

今回からは「心不全」についてお話をします。「心不全」という言葉を聞いたことはあっても、どのような病気かよく分からない人は多いのではないでしょうか?

本記事の概要

心不全は、心臓のはたらきが低下するなどして、息切れやむくみ、疲れやすさなどの症状が現れる状態です。初期には「年齢や運動不足のせい」と思うような変化から始まることもあります。本記事では、心不全の症状や原因、なりやすい人、予防のポイントを循環器内科医が解説。気になる症状が続く場合は、自己判断せず早めに受診しましょう。

心不全とはどんな病気?

心不全は、心臓のはたらきが低下することで、全身に必要な血液を十分に送り出せなくなった状態です。病名ではなく、心筋梗塞や心臓弁膜症、高血圧、不整脈、心筋症などの病気によって、心臓の機能が衰えた「結果」として起こるものです。放置すると命にかかわるため、早めに原因を調べて、適切な治療につなげることが大切です。

心不全になる人が年々増えている?「心不全パンデミック」と呼ばれる背景

日本では高齢化に加え、高血圧や糖尿病、心筋梗塞などの心臓・血管の病気が増えていることなどを背景に、心不全になる人が増加しています。

厚生労働省の調べによると、2020年のがん患者数は約100万人に対して、心不全患者数は約120 万人との推計です。今後も患者数は増加する見込みで、2030年には130万人に達すると予測されています。このような患者数の増加は「心不全パンデミック」と呼ばれ、医療体制の逼迫や介護費用の増大などが社会的な課題になっています。

図:心不全の発症者数推移

心不全は治る?早期治療で悪化を防ぐことが大切

心不全は、入院を繰り返すごとに心臓の機能や全身の体力が低下するため、完全に治ることはありません。治療によって症状が改善しても、心臓のはたらきは、心不全になる前の状態には戻らないのです。だからこそ、なるべく早い段階で先に進まないよう手を打つことが重要です。

もし、「息苦しさを感じる」「急に体重が増えた」など、これまでとは違う体調変化が見られた際は、早々に循環器内科を受診しましょう。近くに循環器内科がない場合は、かかりつけ医に相談してみてください。

心不全の初期症状・前兆は何がある?

心不全の代表的な症状は「息切れ」です。階段や坂道を上ったときなど運動時に出るケースが多いです。悪化すると、少し動いただけでも息苦しくなったり、夜間に横になったときに呼吸が苦しくなったりします。ほかにも、足のむくみや急な体重増加、疲れやすさ、食欲低下などがみられることがあります。

心不全の症状チェックリスト

  • 息切れ・呼吸困難: 階段や坂道で息切れする。横になると苦しくなり、起き上がると楽になる。
  • むくみ・体重増加: 足のすねや足首がむくむ。すねや足首を押すと跡が残る。1週間で2kg以上の急激な体重増加がある。
  • 食欲低下:食欲がわかない。少し食べただけで満腹になる。
  • 疲労感・だるさ: 体が重くだるく感じる。疲れやすくなる。

これらの症状は、心臓から全身に血液を十分に送り出せなくなったり、血液が肺や体に滞ったりすることで発生します。

特に初期には、「少し疲れやすくなった」「以前より階段で息切れする」といった、年齢や運動不足のせいと思ってしまうような変化から始まります。そのため、「この程度なら病院に行く必要はない」と考え、心不全の可能性に気づかないまま過ごしてしまう人も少なくありません。

特に、以前にはなかった体調不良が続く場合は注意が必要です。「年齢のせい」「運動不足だから」と自己判断せず、循環器内科で原因をしっかり調べてもらうことで、日常生活の不便や不安を取り除くことができます。

どうして心不全が起こるの?原因は

心不全が起こる主な原因は心臓の病気です。心筋弁膜症や不整脈、心筋症(心臓の筋肉の病気)などにより心臓のはたらきが弱まることで、心不全が進みます。

また、高血圧や糖尿病、脂質異常症(高脂血症)などの生活習慣病も心臓に負担をかけるため、心不全を招く原因になります。近年は食生活の乱れや運動不足、肥満、喫煙などの生活習慣から30代・40代・50代の若い人でも心不全になるケースが増えています。

心不全になりやすいのはどんな人?

「心臓の病気がある人」「心臓に負担をかける生活を送っている人」「高齢者」は心不全になりやすいです。心不全になると、心不全になる前の心臓機能は戻らないため、なりやすい人は自らのリスクを把握した上で予防を取ることが大事です。

【心不全の発症リスクが高い人】

  • 心臓の病気がある人:狭心症や心筋梗塞、心臓弁膜症、心筋症、不整脈などがあると、心臓への負担の大きさから心不全が進みます。
  • 心臓に負担をかける生活を送っている人:高血圧、糖尿病、慢性腎臓病、脂質異常症などの生活習慣病を患っていると、動脈硬化により、心臓への負荷が慢性化します。
  • 高齢者:高齢になるほど心機能が低下します。

心不全を防ぐためにできること

心臓に負担をかける生活習慣を見直すことで、心不全になるリスクは減らせます。日常生活を少し工夫するだけでも改善されることも多いため、できることから取り入れてみましょう。

  • 塩分の摂りすぎに注意する:塩分を摂りすぎると体内に水分をため込みやすくなり、血圧の上昇や心臓への負担につながります。外食や加工食品が多い方は、食品の塩分量表示を確認する習慣をつけるのもよいでしょう。
  • 適正体重を維持する:肥満になると心臓の筋肉が肥大化しやすく、高血圧や糖尿病の原因にもなります。
  • 禁煙と節酒を心がける:血管を収縮させたり、血圧を急上昇させたり不整脈を引き起こす要因です。

安心して暮らすためにも、まず心不全を正しく知ることが大切

心不全と聞くと、「今まで通りの生活ができなくなるのでは」と不安になる方もいるかもしれません。しかし、心不全とはどんなものなのか、今後起こりうる状態を知ることにより、漠然とした不安を軽減できますし、治療について医師と相談するときにも役立ちます。健やかな毎日を過ごすためにも、まずは心不全について知ることから始めましょう。

次回は、心不全の種類や受診目安についてお話しします。

土曜・祝日も受診可能。息苦しい、胸が痛いを後回しにしないで

よくある質問

Q1.心不全とはどんな病気ですか?

A.心不全は、心臓のはたらきが低下するなどして、全身に必要な血液を十分に送り出せなくなったり、血液が肺や体に滞ったりする状態です。心筋梗塞や心臓弁膜症、高血圧、不整脈などの心臓の病気が原因となることが多いです。また、近年は生活の乱れから30代・40代・50代の若い人でも心不全になるケースも増えています。

Q2.心不全の初期症状にはどのようなものがありますか?

A.代表的な症状は息切れです。特に、以前は平気だった階段や坂道で息切れする、少し動いただけで息苦しくなるといった変化に注意が必要です。ほかにも、足のむくみ、急な体重増加、疲れやすさ、食欲低下などがみられることがあります。

Q3.心不全は若い人でも発症しますか?

A.心不全は高齢者に多いものの、若い人でも発症する可能性があります。高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病に加え、肥満、喫煙、心筋症、不整脈などがリスクとなります。30代・40代・50代でも、気になる症状が続く場合は自己判断せず受診しましょう。

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