2026年8月04日

みなさん、こんにちは。院長の太田光彦です。
連日、猛暑日が続き熱中症のリスクが高くなっています。夏は心臓にとって負担の大きい季節ですので、こまめに水分補給をするなど、体調管理には十分に気をつけましょう。
さて、今回は不整脈と診断されたときの生活面での変化のお話をします。
本記事の概要
不整脈の種類や症状によっては、車の運転や運動、仕事などで注意が必要になる場合もあります。本記事では、不整脈がある方の日常生活で気を付けるポイントや、再発予防につながる生活習慣、家族が知っておきたいサポートのポイントを循環器専門医が分かりやすく解説します。
不整脈があっても、今まで通りの生活は送れる?
不整脈と診断されると、「仕事は続けられるの?」「車の運転をしても大丈夫?」と不安になる方は少なくありません。めまいやふらつき、強い動悸が起こる不整脈では、安全のため生活の一部に制限を受けることがあります。
不整脈による生活の変化には何がある?

不整脈の原因や症状の出方によって注意点は異なりますが、ここでは日常生活でよくある疑問について解説します。
自動車の運転はできる?
不整脈があるからと言って、すべての方の運転が禁止されるわけではありません。失神や意識消失を起こす可能性がある不整脈では、ご本人だけでなく周囲の安全を守るため、運転を控える必要があります。運転をしても問題ないかは、自己判断をせずに医師に確認しましょう。
運動は医師の指導のもと、無理のない範囲で行う

不整脈の種類によっては、運動すると症状が悪化するケースもあります。どの程度の運動をしていいか、安全な運動レベルを判断するためには「運動負荷心エコー検査」や「運動負荷心電図検査」が必要です。運動をする際は、必ず医師の指導のもと行いましょう。
仕事は続けられる?働く上で気をつけること
多くの方は、不整脈の治療を受けながら仕事を続けています。ただし、重い荷物を持つ仕事や高所作業、長距離運転など、安全に影響する職種では、仕事内容の調整が必要です。「仕事を辞めなければいけない」と過度に心配する必要はありませんが、不安を感じる場合は、無理のない働き方を職場と相談ください。
旅行は大丈夫?外出時に気をつけたいポイント
症状が安定していれば、旅行を楽しむこともできます。長時間の移動ではこまめに水分補給を行い、服薬時間を守ることに忘れないようにしましょう。体調を崩した場合に備え、旅行先周辺の医療機関を調べたり、お薬手帳を持参したりすると安心につながります。ペースメーカーを使用している方は、ペースメーカー手帳を携帯しましょう。
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不整脈を悪化させないために見直したい生活習慣

不整脈の改善のために大事なのが日々の生活を見直すこと。薬での治療、手術治療を行ったとしても、心臓に負担をかけない生活習慣が再発予防において重要です。
質のいい睡眠をとる
寝たはずなのに日中強い眠気に襲われる、家族から大きないびきを指摘されるなど、睡眠に支障がある場合、「睡眠時無呼吸症候群」の可能性があります。睡眠中に呼吸が何度も止まることで、心臓は酸素不足を補おうと負担の大きい状態になります。その状態が続くと、不整脈が起こりやすくなることがあります。
もし思い当たる症状があれば検査を受けて、睡眠に異常がないか確認することが大切です。
適正体重を維持する
肥満は、不整脈の引き金となる高血圧や糖尿病、脂質異常症になるリスクを高めます。体重が増えるほど、全身に運ぶ血液量が増えて心臓に負担がかかるため、適正体重(BMI 18.5〜25未満)を維持しましょう。
※ BMI:体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
カフェイン・タバコ・飲酒との付き合い方
・カフェインの摂取量を見直す
コーヒーや緑茶、紅茶などに含まれるカフェインは、神経を興奮させる作用があり、過剰に摂取すると心拍数の増加や血管の収縮を引き起こします。たとえ1杯でも「飲むと胸がドキドキする」などの不調が現れた場合は、ノンカフェインの飲み物へ置き換えてみてください。また、エナジードリンクにはカフェインだけでなく糖分も多く含まれていますので、控えたほうがいいですね。
・タバコをやめる
タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素は、心臓と血管に大きな負担をかけます。症状を悪化させる要因になるため、まずは禁煙に向けて一歩踏み出してみましょう。自力でやめることが難しい場合は、禁煙外来の活用を検討するのも一つです。
・お酒の量を減らす
過度なアルコール摂取は、脈が飛ぶ期外収縮や、脈が速くなる心房細動を誘発しやすくします。ノンアルコール飲料に置き換えたり、休肝日を設けたり、まずは節酒からはじめましょう。
・リラックスできる時間をつくる
過労状態が続くと、自律神経の乱れにより、心臓への負担が増えます。深呼吸をして体の力を適度に抜く、趣味を楽しむ、ゆっくりとお風呂に入るなど、自分に合ったリラックス法でストレスをためないようにしましょう。
不整脈と診断されたら家族も知っておきたいこと

不整脈は、本人だけでなくご家族も不安を感じやすい病気です。しかし、多くの不整脈は注意事項を守り、適切な治療を続けることで、日常生活を維持できます。過度に行動を制限するのではなく、体調の変化に気を配り、必要なときにサポートできるよう準備しておくことが大切です。
体調の変化に気づいたら早めに相談を
めまいや失神、息切れ、動悸などの症状が以前より強くなったり、頻繁に起こるようになったりした場合は、不整脈が悪化している可能性があります。本人が「大丈夫」と言っても、早めに医師へ相談しましょう。
行動を制限しすぎない
「心臓の病気だから」と心配するあまり、外出や運動を必要以上に止めてしまうご家族もいます。しかし、症状が安定している方は、医師の指導のもとで適度に体を動かすことが健康維持につながります。病気があるからといって行動を狭めるのではなく、一緒に考えていくことが、本人の生活の質を保つことにもつながります。
定期受診を支えることも大切
受診日を一緒に確認したり、気になる症状をメモして診察時に伝えたりするなど、家族がサポートすることで、より安心して治療を続けられます。
普段通りの生活を送るためにも、定期検査は欠かさずに

不整脈は長期的な治療や経過観察が必要で、一生つき合う病気です。自覚症状がなくても病状が進行したり、日常生活で気をつけることが変わったりすることがあります。その変化を早めに気づき、適切な治療につなげるためにも、定期検査を継続することが何より重要です。
不整脈と診断されると不安になる方は多いものですが、必要以上に生活を制限する必要はありません。ご自身に合った生活を続けていきましょう。
不整脈と診断されたらどうする? 治療法やお金のこと、知っておくべきポイントとは
よくある質問
Q1.不整脈を悪化させないために気を付けることはありますか?
睡眠不足や過度の飲酒、喫煙、肥満、ストレスなどは心臓への負担となり、不整脈を悪化させる要因になります。適正体重を維持し、十分な睡眠をとるほか、カフェインやアルコールを摂り過ぎないなど、生活習慣を整えることが悪化を防ぐことにつながります。
Q2.不整脈でも運動をしていいですか?
適度な運動は健康維持に役立ちますが、不整脈の種類によっては症状が悪化することもあります。安全に運動を続けるためには、運動負荷検査などで運動量を確認し、医師の指導に沿って無理のない範囲で行うことが大切です。
Q3.不整脈と診断されたとき、家族はどのようなことに気を付ければよいですか?
多くの不整脈は適切な治療を受けることで、日常生活を取り戻せます。ご家族は過度に行動を制限するのではなく、めまいや失神、息切れなどの症状の変化に気を配り、必要に応じて受診を勧められるようにしておくことが大切です。また、定期検査を継続できるよう支えることも重要な役割です。