心不全の治療は何をする? 薬物療法・手術・生活改善について循環器内科医が解説|御茶ノ水駅|おおた循環器内科エコークリニック|循環器内科・内科

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心不全の治療は何をする? 薬物療法・手術・生活改善について循環器内科医が解説

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2026年9月25日

心不全の治療は何をする? 薬物療法・手術・生活改善について循環器内科医が解説

みなさん、こんにちは。院長の太田光彦です。

前回は、心不全が疑われるときに行う検査についてお話ししました。今回は、心不全の治療法や日常生活での注意ポイント、利用できる制度についての解説をします。

本記事の概要

心不全の治療は薬物療法を中心に行います。治療では、症状をやわらげるだけでなく、心不全の悪化を防ぐことが重要です。状態によってはカテーテル治療や心臓リハビリテーションなどを行い、減塩・体重管理・適度な運動といった生活習慣の見直しも欠かせません。心不全の治療法や日常生活で注意したいこと、高額療養費制度などの公的制度について、循環器内科医が分かりやすく解説します。

心不全の治療法には何がある?

心不全の治療は、薬によって症状をやわらげ、悪化を防ぐ「薬物療法」が基本です。薬物療法だけでは効果が見られないときはカテーテル治療や、ペースメーカーなどの「非薬物治療」を行います。

また、治療の効果を高めるためには、減塩や適切な運動などの生活管理も欠かせません。

治療を受けるときの心構え

心不全になると、減退した心臓のはたらきを元に戻すことは難しいため、「治す」というよりも「悪化しないよう進行を抑える」と捉えることが大切です。治療で症状は緩和されますが、心不全の原因が解消されるわけではありません。自己判断で治療をやめると日常生活に支障が出てしまうため、もし気になることがあれば、医師と相談しながら治療を続けていきましょう。

心不全の薬物療法|症状を落ち着かせて、悪化を防ぐ

心不全の薬には、息切れやむくみなどの症状をやわらげるものと、心不全の悪化を防ぐものがあります。

症状をやわらげる薬

・利尿薬:身体に溜まった水分や塩分を尿として外に出し、心臓の負担やむくみをとります。

心不全の悪化を防ぐ薬

・ACE阻害薬 / ARB / ARNI:血圧を下げる効果と心臓を守る作用があります。

・β遮断薬:速くなりすぎた脈を落ち着かせ、心臓の負担を軽減します。少量から開始し、血圧や脈拍、症状などを確認しながら調整します。

・MRA(ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬):体内のホルモンの働きを抑えることで、心臓への負担を軽減します。

・SGLT2阻害薬:余分な糖や水分を体の外に出し、心臓と腎臓のはたらきを助けます。

心不全で行われる非薬物療法|カテーテル治療や機器を使った治療

心不全の原因や心臓の状態によっては、カテーテル治療や医療機器を使った治療を行うことがあります。

カテーテルアブレーション

不整脈が心不全の原因となっているときに行われる治療です。カテーテル(細い管)で異常が発生している箇所を処置し、正常な心拍リズムを取り戻すことを目指します。胸を開く必要がないため、比較的身体への負担が少ない治療です。

ペースメーカー

脈が遅い場合に行われる治療法の一つです。小さな機械を胸に植え込み、そこから電気刺激を送ることで、脈を安定させて症状を改善します。

心臓再同期療法(CRT)

心不全が進行すると、心臓の左右の心室がバラバラに収縮し、効率よく血液を送り出せなくなることがあります。このような場合に、左右の心室の収縮をそろえる治療を行います。

植え込み型除細動器(ICD)

突然死をまねくような危険な不整脈があるとき、心臓に電気ショックを与えたり、繰り返し電気刺激を与えたりすることで、心臓の拍動を正常な状態に戻す機器を植え込みます。心臓の収縮をそろえるCRTの機能と、危険な不整脈に対応するICDの機能を兼ね備えた「CRT-D」を採用することもあります。

ほかにも、心不全の原因が狭心症や心筋梗塞、心臓弁膜症などの場合は、病気そのものに対する治療を行います。たとえば、狭くなった冠動脈の血流を改善する冠動脈バイパス術や、異常のある心臓弁を修復・置換する手術などです。どの治療が適しているかは、個々の状態によって判断されます。

心不全の治療で気をつけたい生活習慣|減塩・体重管理・運動

心臓の負担を軽減するためには、ふだんの生活管理が重要です。特に注意が必要なのが「減塩」。塩分は体に水分をため込むので、血液量が増えると弱った心臓に大きな負担をかけてしまいます。

日常生活で注意すること

・薬を毎日決められた通りに服用する:薬の数が多いときは、服薬カレンダーや飲み忘れ防止アプリを活用してみましょう。

・塩分を摂りすぎない:目安として食塩6g未満が推奨されます。出汁や香辛料、香味野菜を活用すると効果的です。

・毎日体重を測る:毎朝同じ時間に体重を測り、変化に気づきやすくしましょう

・無理のない範囲で体を動かす:医師に相談しながら、ウォーキングなど無理のない運動を続けましょう。

・水分制限:医師から指示されている場合は、指示された量を守りましょう。

体力を回復し、再発や再入院を防ぐ「心臓リハビリテーション」

心不全になると、息切れを避けようとして体を動かさなくなり、それによって筋力や運動能力が低下し、ますます運動を避けるケースがあります。

それを防ぐため、「心臓リハビリテーション」では心臓の状態や個々の体力に合わせて運動量を調整しながら、生活習慣の改善を目指します。適切な運動を続けることで、運動能力を高め、息切れなどの症状を軽減し、心不全による再入院を減らすことが期待されています。

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心不全の治療費を支える制度

心臓の治療と聞くと、治療にかかるお金や薬代に経済的な不安を感じてしまう方も多いでしょう。しかし、心不全になっても公的制度を活用することで、生活を維持している人はたくさんいます。

「高額療養費制度」で医療費の負担を最小限に

1か月(1日から月末まで)に医療機関や薬局の窓口で支払った医療費の自己負担額が上限額を超えた場合、その超えた分が払い戻される制度です。

マイナ保険証を利用している場合は、医療機関の窓口で限度額情報の提供に同意することで、事前の手続きなしに窓口での支払いを自己負担限度額までにできる場合があります。

厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」

協会けんぽ「限度額適用認定証・高額療養費・高額介護合算|給付と手続き」

利用できる制度・手続きの相談は無料相談窓口へ

医療費の支払いや生活への不安がある場合は、各自治体の窓口に相談するのが最も確実です。利用できる制度や手続きについて具体的なアドバイスをもらえます。

心不全になっても、治療を続けながら日常生活を維持できる

心不全と診断されると、「これまで通りの生活ができなくなるのでは」と心配になりがちですが、適切な治療を続けることで、症状をコントロールしながら日常生活を維持していくことができます。

当クリニックでは、検査結果や症状、生活スタイルも踏まえながら、患者さまに合った治療をご提案しています。高度な治療が必要な場合には、連携する医療機関と協力しながら、健康を保てるようサポートいたします。

ご自身やご家族の体調で気になることがあれば、一人で抱え込まずどんなことでもご相談ください。無理なく治療を続ける方法を一緒に考えていきましょう。

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よくある質問

Q1.心不全はどのように治療しますか?

A. 心不全の原因となる病気や心臓の状態に応じて治療します。基本は薬物療法で、息切れやむくみなどの症状をやわらげるとともに、心不全の悪化を防ぎます。必要に応じてカテーテル治療や医療機器を使った治療、原因となる病気への治療などを行います。

Q2.心不全の薬にはどのようなものがありますか?

A.心不全の薬には、体にたまった水分を排出して息切れやむくみをやわらげる利尿薬や、心臓への負担を軽減して心不全の悪化を防ぐ薬があります。ACE阻害薬・ARB・ARNI、β遮断薬、MRA、SGLT2阻害薬などがあり、心臓の状態や原因に応じて使い分けます。

Q3.心不全になったら運動してはいけませんか?

A. 心臓の状態や体力に合わせた適切な運動は、運動能力の向上や息切れなどの症状の軽減、再入院の減少につながることが期待されています。心臓リハビリテーションでは、医療者の管理のもとで無理のない運動に取り組みます。運動の種類や強さは自己判断せず、医師に相談することが大切です。

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