2026年3月06日

みなさん、こんにちは。院長の太田光彦です。
春は新生活に向けて不安を抱え、ストレスから胸のつかえ・ざわつきを感じる方も多いようです。
「これくらいのことで病院に行くのは……」と思わず、気がかりなことがあればご相談ください。「もしかして病気かも?」という不安を取り除くことができます。
さて、今回からは「狭心症」についてお話をします。
本記事の概要
胸の締めつけ感や息苦しさは、狭心症のサインかもしれません。狭心症は心臓の血管が狭くなり、心筋に十分な酸素が届かなくなる病気で、放置すると心筋梗塞へ進むこともあります。本記事では、狭心症と心筋梗塞の違い、3つのタイプ、原因や初期症状、受診の目安について医師がわかりやすく解説します。
狭心症とはどんな病気?心筋梗塞との違いもわかりやすく解説
狭心症とは、冠動脈という心臓の血管内部が狭くなり、心臓の筋肉に十分な酸素が届かなくなる病気です。
一方、心筋梗塞は血管が完全に詰まり、心筋が壊死してしまう状態です。狭心症の段階では、心筋組織の壊死までは至りませんが、放置していると心筋梗塞を引き起こす可能性があります。
「少し休めば治まるから大丈夫」と思わず、繰り返すようなら早めに医療機関の受診を検討しましょう。

狭心症には3種類がある
狭心症は、原因や症状の出方によってタイプが異なるため、一つのパターンで判断しないことが大切です。
1.動いたときに痛む「労作性(ろうさせい)狭心症」
階段や坂道をのぼる、早歩きをする、重いものを持つなど体に負荷がかかったときに起こりやすい狭心症です。
胸の締めつけ感や圧迫感、息苦しさが数分続き、休むとおさまるのが特徴です。
2.安静時にも起こる「不安定狭心症」
痛みが強くなったり、発作の回数が増えたりする狭心症です。
動いていないときにも胸の痛みが起こることがあります。症状が変化している場合は、心筋梗塞へ進展する可能性が高い危険な状態です。
3.夜中や早朝に多い「冠攣縮性(かんれんしゅくせい)狭心症」
安静にしているとき、特に夜中から早朝に起こりやすい狭心症です。
冠動脈が一時的に痙攣(けいれん)を起こし、血管が狭くなることで、突然胸の痛みや息苦しさがあらわれます。異型狭心症とも呼ばれます。
狭心症の種類については、次回以降に詳しく説明します。
なぜ起こる?狭心症が起こる原因
狭心症のおもな原因は、動脈硬化です。
動脈硬化は、血管の弾力が失われて硬くなり、血管の壁にプラークと呼ばれるコブのような塊ができる状態です。
プラークは、悪玉(LDL)コレステロールなどが蓄積したもの。突起物ができることで血管内部が狭くなり、血液の流れが悪くなります。この動脈硬化が冠動脈で起こると、心臓を動かす筋肉心筋に十分な酸素が届かなくなり、胸の締めつけ感や息苦しさが生じます。

動脈硬化は加齢とともに進みますが、
・運動不足
・喫煙
・脂質や塩分の多い食事
・高血圧や糖尿病といった生活習慣も大きく影響します。
日頃の生活を見直すことが予防につながります。
家族に心臓病がある人は要注意?遺伝との関係
狭心症そのものが直接遺伝するわけではありません。ただし、家族歴は重要なリスク要因です。
40代、50代で狭心症や心筋梗塞を発症した家族がいる場合、発症リスクが2~4倍になるという報告がされています。
また、高血圧や糖尿病、脂質異常症(高脂血症)など動脈硬化を起こしやすい体質は受け継がれやすい傾向があります。同居する家族とは生活習慣が似やすいため、運動不足や栄養バランスの悪い食生活などの影響が大きいといえるでしょう。
家族に心臓病がある方は、症状が軽くても一度検査を受けておくと安心です。
見逃しやすい狭心症の初期症状
胸のドキドキや痛み、キュッと締め付けられるような圧迫感。胸に違和感があると、何かしら心臓に病気があるのでは?と不安になりますよね。命にかかわることもありますので、体からのSOSサインを見逃さないよう早めの受診が大切です。
階段や坂道で胸が苦しい……それは危険サインかも
狭心症の代表的な症状は、通勤時の階段や坂道で胸が締めつけられるように痛むことです。「休むと治るから大丈夫」と思いがちですが、活発に動いているときに5~10分ほど胸の痛みや息苦しさが続く場合は、注意が必要です。
夜中や早朝など決まった時間に胸痛が起こるときは?

安静時に胸の痛みが起こるタイプもあります。夜中や早朝に胸が痛くなる場合は、冠攣縮性狭心症の可能性があります。
冠動脈の一部が痙攣を起こし、瞬間的に血管が狭くなるため突然死を招く恐れもあります。同じ時間帯に繰り返す場合は、早めに循環器内科を受診しましょう。早期に発見できると、痙攣を予防する薬を服用することで症状を軽減できます。
「様子を見る」は危険?早めの検査が命を守る
胸の痛みや息苦しさだけでなく、立ちくらみや倦怠感、肩・首・背中の痛みなども狭心症のサインになることがあります。体調不良が続くときも、「疲れているのかな」と自己判断せず一度相談してみましょう。狭心症だけでなく、ほかの病気も隠れているかもしれません。
土曜・祝日も受診可能。適切な検査で安心を

当クリニックは、土曜・祝日も診療しており当日予約も可能です。大規模病院でも使用されている検査機器を導入し、経験豊富な検査技師が対応しています。
気になる症状が出たときに、先延ばしせず検査を受けていただけますし、検査結果は当日にわかります。また、必要に応じて連携医療機関をご紹介し早期治療につなげています。
狭心症をはじめ、心臓病は命に関わりますので、早期受診・発見・治療が大切です。気軽にご相談ください。

FAQ
Q1.狭心症と心筋梗塞の違いは何ですか?
A. 狭心症は、心臓の血管(冠動脈)が狭くなり、一時的に心筋へ十分な酸素が届かなくなる状態です。休むと症状が治まることもあります。一方、心筋梗塞は血管が完全に詰まり、心筋が壊死してしまう重い病気です。狭心症の段階で適切に治療すれば、心筋梗塞を防げる可能性があります。
Q2.狭心症の原因は何ですか?
A. おもな原因は動脈硬化です。血管の内側にコレステロールなどがたまって血管が狭くなり、血流が悪くなることで発症します。加齢のほか、喫煙、運動不足、脂質や塩分の多い食事、高血圧や糖尿病などの生活習慣が大きく影響します。家族に心臓病がある場合もリスクが高まります。
Q3.狭心症のよくある症状について教えてください。
A. 代表的な症状は、胸の締めつけ感や圧迫感、息苦しさです。階段や坂道をのぼったときなど、体を動かした際に数分続き、休むとおさまることが多いのが特徴です。夜中や早朝に安静時でも起こるタイプもあります。また、肩・首・背中の痛みや立ちくらみ、強い倦怠感などが現れることもあります。