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突然の診断でも慌てない。心筋梗塞の治療と気になる費用のこと

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2026年1月28日

突然の診断でも慌てない。心筋梗塞の治療と気になる費用のこと

みなさん、こんにちは。院長の太田光彦です。

冬は寒冷刺激により心臓の機能が急激に低下し、心筋梗塞や心不全など心臓病のリスクが高まる季節です。今回はそのひとつ「心筋梗塞」の治療法についてお話します。

本記事の概要

日本国内における心筋梗塞の年間死亡者数は約3万人。命に関わる病気というイメージが強いですが、適切な治療を早急に受けられると助かる確率は高まります。治療法にはカテーテル治療やバイパス手術などがあり、その費用には健康保険や高額療養費制度を利用可能。再発リスクの高い病気のため、治療後も生活習慣の見直しが重要です。

心筋梗塞は迅速な治療が重要

心筋梗塞は、心臓の筋肉(心筋)に血液を送る「冠動脈」が血栓(血の塊)などで詰まり、心筋が壊死してしまう病気です。突然起こる激しい胸の痛みや圧迫感、冷や汗などに襲われるのが特徴で、壊死した細胞は元に戻らないため、1分1秒でも早く治療を行うことが極めて大事です。

日本循環器学会のガイドラインでは、急性心筋梗塞の患者が病院に到着してから90分以内に治療を開始することが推奨されています。命の危険や重篤な後遺症に直結するため、時間との戦いです。

心筋梗塞でまず行われる「カテーテル治療」とは

心筋梗塞を発症したら一刻も早く血管の詰まりを取り除き、血流を再開させなければなりません。まず選択肢に上がる治療法がカテーテル治療です。

血管の中にできた血栓やプラーク(脂質)を取り除くために、手首または足のつけ根、鎖骨下からカテーテル(細い管)を差し込みます。先端には、ステント(特殊な網目上の金属筒)とバルーン(風船)が装着されています。血管が詰まっている箇所で、バルーンを膨らませて血管を押し広げ、その後バルーンをしぼませて抜き取るとステントが血管内に留置され、血流が再開します。

カテーテル治療は、メスを使わないため傷口は数㎜程度、開胸手術と比べて体への負担が軽いのがメリットです。入院期間は心筋梗塞の重症度によります。ダメージが小さければ3~4日間で退院できることもありますが、ダメージが大きければリハビリ期間も含め14日〜21日間になることもあります。

カテーテル治療が難しい場合に行われる「バイパス手術」

カテーテル治療が難しいと医師が判断した場合、バイパス(迂回路)となる血管をつなぐ手術を行います。複数の血管が狭くなっている場合や、心臓のポンプ機能への影響が大きい左冠動脈が詰まっている場合などに選択される治療法です。バイパス手術は胸を切り開いて行うため、体への負担は重くなります。全身麻酔を使うので回復に時間がかかり、入院期間は2〜3週間ほどです。

心筋梗塞の治療費は保険適用を受けられます

カテーテル治療やバイパス手術を受けたときは、健康保険が適用されます。

カテーテル治療費:総額120万~200万円程度(自己負担3割の場合は36万~60万円)
バイパス手術費:総額300万~400万円程度(自己負担3割の場合は90万~120万円)

※検査費用や入院時の食費負担、差額ベッド代は別途かかります。
※医療費の自己負担割合は、年齢や所得によって1~3割と異なります。

さらに、「高額療養費制度※1」を利用できるため、自己負担限度額を超えた分については後から払い戻されます。

心筋梗塞の治療費は高額となりますが、健康保険と高額療養費制度を活用することで、自己負担額は月額10万円以下に抑えられるケースがほとんどです。

70歳以上75歳未満の方は、限度額適用認定証の交付が必要になる場合もあります。詳細はお住まいの市区町村の国民健康保険窓口に確認をしてください。

※1 医療機関や薬局の窓口で支払った額が、暦月(月の初めから終わりまで)で一定額を超えた場合に、超過分の金額を支給する公的医療保険の制度です。入院時の食費負担、差額ベッド代等は含みません。

心筋梗塞は再発する?繰り返さないために「悪玉コレステロールを下げる」

心筋梗塞は、治療後も再発する可能性がある病気です。治療をしたからといって安心ではありません。血管の詰まりを改善した後は、血管を詰まらせるプラークの元になる悪玉(LDL)コレステロールを下げることが大事です。

心筋梗塞発症後に薬は必要?どのくらい服用する

心筋梗塞を発症後には抗血小板薬、スタチン、β遮断薬、レニン・アンギオテンシン阻害薬など約5〜8種類の薬を毎日服用します。再発予防と心臓保護のため、長期間または一生涯飲み続ける必要があります。

急にたくさんの薬を飲む生活は大変ですが、それぞれの薬は役割が異なります。服薬カレンダーや飲み忘れ防止アプリなど便利なツールもありますので、生活スタイルに合わせてしっかりと管理をしましょう。

1ヶ月の薬代は数千円から数万円です(病状や使用する薬の種類・量により変動)。

<服用する主な薬>

  • ・スタチンやエゼチミブ(悪玉コレステロール値を下げる薬)
  • ・抗血小板薬(血液をサラサラにする薬)
  • ・胃薬(血液をサラサラにする薬の副作用による胃潰瘍や胃粘膜の荒れを防ぐ薬)
  • ・β遮断薬(心臓への負担を軽くするための薬)
  • ・レニンアンギオテンシン系阻害薬(血圧を下げて心不全を防ぐ薬)
  • ・血管拡張薬(血管を広げて心臓への負担を軽減する薬)

 ※病状や合併症により処方は異なります。

特に大切なのは、冠動脈の動脈硬化を防ぐために悪玉コレステロール値を薬できちんと管理すること。

日本動脈硬化学会のガイドラインでは、140mg/dL未満を悪玉コレステロール値の基準値(正常)としていますが、心筋梗塞の再発予防には「70mg/dL未満」が推奨されています。食生活の見直しだけではこの数値まで下げることが難しいため、薬を用いて70mg/dL未満を保つことが不可欠です。必要に応じて、内服薬の他に注射薬を併用する場合もあります。

治療を受けていても生活習慣の見直しが必要な理由

治療で状態を改善したり、薬で進行を抑えることはできますが、心筋梗塞の原因そのものをゼロにすることはできません。薬を服用しているからといって、発症前と同じ生活を送っていると再発するリスクが高まります。

心筋梗塞は冠動脈が詰まることで心筋が壊死してしまう病気であり、突然死や後遺症のリスクも高いです。肥満や喫煙、生活習慣病などの血管が詰まる要因を排除して再発を防ぎましょう。特に肥満(BMI25以上※2)の改善は急務です。体重管理のためには、脂質・塩分過多の食事を見直し、適度な運動をすることが欠かせません。

※2 日本肥満学会では、BMI(体格指数)25以上を肥満と定義しています。
   BMI値:体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

また、タバコに含まれるニコチンが、血管を収縮させ血液の流れを悪くするため、禁煙は必須です。男性においては、タバコを吸わない人に比べてタバコを吸う人は心筋梗塞リスクが約4倍まで高くなることが報告されています。

国立研究開発法人国立循環器病研究センター「喫煙が与える循環器疾患の影響」
https://www.ncvc.go.jp/coronary2/risk/smoking/index.html(2026年1月17日 閲覧)

心筋梗塞は完治しないからこそ、治療後の向き合い方が大切

心筋梗塞は、治療をしても「完全に治る」という性質の病気ではありません。

服薬や生活習慣の見直し、定期的な検査を通じて健康な生活を取り戻すことは十分に可能です。不安なことがあれば医師に相談して、できることを一つずつ積み重ねていきましょう。

FAQ

Q1.心筋梗塞の治療法には何がありますか?

主な治療法には、カテーテル治療(血管を広げる治療)やバイパス手術などがあります。症状の重さや血管の状態によって治療方法は異なるため、専門医が総合的に判断します。

Q2.心筋梗塞の治療費はどのくらいかかりますか?

治療内容や入院期間によって異なりますが、高額療養費制度を利用することで、自己負担額を抑えられます。事前に医療機関や保険制度について確認しておくと安心です。

Q3.心筋梗塞の再発を防ぐために必要なことは?

服薬の継続、食事や運動など生活習慣の改善、定期的な検査が重要です。無理をせず、医師と相談しながら自分に合った管理を続けていきましょう。

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